ボディタッチは前戯の前戯のようなもの

出会い系で知り合った柏崎に住む女性と新潟に遊びに行った。

俺は直江津だから、電車で途中下車して彼女と落ち合い、また電車に乗った。

食事したり映画を観たり、おいしいお菓子を食べたり、観光スポットを歩いてみたり、なかなかプラトニックで瑞々しいデートだったと思う。

彼女はむっちりした体型をしていて、俺好みだったが、プラトニックな気分に支配されてエッチなことを考える余裕はなかった。

だが時間が経つにつれて変わってきた。彼女の香水や髪の毛の匂い。ときどきおもむろに体に触れる柔らかな肌の感触にむらむらしてきて、デートが終わって電車で帰宅するときにはピークに達していた。

―ホテルに行きたいな―

そう思っていた。

だがプラトニックな時間をともにしてきた彼女にそんな露骨なお願いはできない。しかたなく電車に乗ったが、我慢できずに俺はボディタッチに走った。

だがこれが効き目があった。

手を握ったり体をくっつけたり、髪の毛に触ったりするうちに、彼女もだんだんと俺に触るようになってきて、さきほどまで二人の間に流れていたプラトニックな空気がたちまちエッチ色に変わったのだ。

少しずつ、彼女の体（セックス）が近づいてくるのを自覚した。

その意味ではそれは前戯だったのかもしれない。ベッドインして挿入するまえにする互いを愛撫したり舐めたりする行為が前戯であるならば、電車の中でのボディタッチは前戯の前戯だった。

少しずつ気持ちが高まっていった。

俺が柏崎で途中下車したのは言うまでもない。

お互いの目指す場所はただ一つだった。駅前でタクシーを拾い、一番近いラブホに言ってくれと頼んだ。

こんな風にボディタッチがセックス誘うことは起こりえるものだが、それはお互いの良い相性が前提になるかもしれない。ほぼ一日かけて互いの心を近づけてこそ起こる男女の現象ともいえる。

デートで「これは相性が良さそうだな」と思ったら、せひボディタッチをしてみて欲しい。彼女の体はどんどん君に近づいてくるぞ。