どっかの男にナンパされて俺のアパートから家出した家出少女

掲示板に「誰か助けてほしい」と書き込んでいた女がいた。じっくり読むと、新潟のほうからやってきた家出少女のようだ。年齢は18～20歳と書いてあるが、文面に幼さがあり、たぶん18歳か、下手をするとそれ以下かもしれない。片道切符でやってきたようで、金がない。魚津駅近所のコンビニで待っていると書いてある。かなりせっぱつまった神待ち女だ。

（誰でもいいのだろうか）

「君が18歳以上であることを証明してくれたら面倒みてもいい」

俺は26歳の会社員。出会い系では同世代の女とばかり遊んできたので、たまにはうんと若い女もいい。彼女をかくまって、毎晩セックスしたったれ。彼女も捨て身だったが俺も捨て身で彼女に体当たりした。

「運転免許持ってるから・・・」

車の免許を持っているということは18歳以上。

「今から迎えに行くからそこを動くなよ・・・変な男が言い寄ってきたら、もうすぐ強面の彼氏がくると言え」

「わかった」

車で魚津駅に急ぐ。

高校を中退してずっと家事手伝いをしていたらしい。就職先を探すも、未成年では職業が限定され、たまに農産物販売所でアルバイトする程度だった。家出した理由は母親の不倫現場を目撃したから。見知らぬおじさんとタクシーに乗ったからどこにいくのだろうと、運転免許取り立ての車で尾行したらラブホの前で止まったという。

それから母親が信じられなくなり、家出した。父親は仙台に単身赴任。家出して落ち着いたら父親にはちゃんと連絡しようと思う。

可愛い顔をしているが、どことなく目つきが暗い。喋り声も笑い声も明るいが、無理してそうしているような雰囲気がある。彼女の本質は暗いのだと思った。

「生活面で面倒見てやる・・・そのかわり俺の女になれ」

「いいけど、同じところでじっとしているのも嫌だな。就職先見つけたら出て行くかも」

「それは自由だ」

この魚津で、10代の家出少女を雇い入れる店や企業があるわけがない。あり得ない話だからそう言った。

彼女には余分な金を渡していなかったので、基本ずっと家にいた。俺は二人分の弁当を買って帰り、食後は寝るまでセックスにふけった。当然ながら非処女で、まだ18歳なのにアソコの色は変色していた。

そんな暮らしが一ヶ月ほど続いたが、ある日帰宅したら彼女が不在だった。スーパーで惣菜を買うとき、たまにアルバイトのお兄さんから声をかけられると言っていたが、もしかしたらその男と一緒にいるのかもしれない。この魚津で俺以外の人間と接点があるとしたらそのお兄さんしかいない。

そして3日後、彼女から一行だけメールが来た。

「今までありがとね～」

どこに行ってしまったのか全く想像できない。そのスーパーの兄ちゃんがもっとも怪しいが、どのスーパーのことを言っているのかわからないし、二、三軒回ったがアルバイトはお兄ちゃんばかりで、誰か本人かわからない。

俺は休みの日に魚津市内を歩き回り、彼女を探した。金は持っていないし、彼女をナンパするとしたら市内の男に違いないので、そのうち姿を見かけるのではないかと思った。

しかし彼女には二度と会うことはなかった。

あの家出少女、今頃どこで何をしているのだろう。

洗面所に残っていた彼女のヘアピンを、たまに手にとって見ている。